「日本三大霊峰のひとつ 加賀の名峰 白山登拝」

●7月19日(土曜日)
朝のニュースで「夏休みと3連休で高速道路の渋滞が始まっています。お出かけの方は充分気を付けて」という言葉に見送られて観光バスに乗り込みました。
槍ヶ岳以来10ケ月ぶりの貸し切りバスの旅となります。朝のニュース通り、阪神高速道路はすでに渋滞がはじまっていました。豊中ICから名神高速道路に乗り継いだ頃、北陸自動車道・米原インターと長浜インター間が交通事故のため通行止との情報が入ります。ドライバーの大重さんは焦っていましたが今日はいつになく「移動日」でピクニックみたいなものなので気分的にのんびりと本日の見物先である福井県立恐竜博物館を目指します。わいわいがやがや楽しい中、予定より約1時間半遅れて福井県立恐竜博物館に到着しました。到着クイズピッタリ賞は12時43分を当てた幸運の女神「よし枝ちゃん」です。

巨大な建物の中に入ると、所狭しと恐竜の模型が展示されていました。夏休みとあって子供達(男の子が目立ったかな)も多く入館していました。福井県で発掘された「フクイサウルス」や「フクイラプトル」も見応えがありました。小学生の少女が学校の遠足で何気なく持ち帰った石から、偉大な化石を発掘するきっかけになっといいます。そんな中でも肉食恐竜がスクリーンの左から右へ飛び越えて草食恐竜を襲うシーンは大人でも充分楽しむことができました(2回も見ちゃったよ)展示場内の発掘現場で「あっ堀場さんや」「ほんまや」とざわつき始め、本当にそっくりの人形がいたのです。思わず写メールしたら「出張命令も出てへんのに〜皆さんによろしく」と返信メールが届きバスの中で披露させていただきました。白峰温泉で「白山まつり」があると言う情報を得たため途中下車をして地元の子供達の音楽隊を観賞し、帰りに入浴する「総湯」を確認し、いよいよ宿に入ります午後4時宿に到着しました、宿はゆっくりめの部屋割りで2階部分は我々が貸し切り状態です。2次会は廊下にテーブルを2本並べ前夜祭を行いました。明日の登拝に備えて午後10時解散。
 ●7月20日(日曜日)曇り。午前7時。路線バスの誘導で旅館を出発します。別当出合登山口へは7時30分到着。路線バスは登山口のすぐ横で下車するが我々の乗る観光バスは少し離れた場所から登山口へ向かいます。
大重さんに見送られて別当出合登山口を8時00分のスタートとなりました。出発してすぐ長い吊り橋があります。ゆ〜らゆ〜らと揺れ、寛子ちゃんがこわがってた橋はこれやなぁ。でも何とか平気の様です。「案ずるより産むが易し」ということでしょうか。
中飯場でトイレ休憩。ここまでを45分で登ったことになります(標準タイムは50分)白山トレーニングを重ねて来ただけあって最初の出足はみんな快調のようです。砂防新道を通り甚之助避難小屋10時30分到着。ここでトイレ休憩と水の補給ができます。蛇口から流れる冷たい水に歓声をあげ元気復活です。何度かの休憩を経て尾瀬沼気分の木道を通り、最後の休憩をとりました。みあげる急坂を上りきると白山室堂小屋です。山小屋着12時45分到着。
 
 
 
 
  山小屋に到着するやいなや雨がポツポツ、やがて大粒の雨に変化しました。チェックインをしていると「お支払いをお願いします」「えっ現金の持ち合わせはありません旅行社払いと聞いていませんか」調べて見ますと言うことでしばらくモタモタとしてしまいました。外ではみんなポツポツ雨の中で待たせているので気が気ではありません。「とにかく早くしてよ」と催促しやっとの事で食券をもらうことができました。みなさんが、お部屋に落ち着いたところで少し薄暗くはありましたが雨に遭わずに食事をすまされたと思います。(リーダーと私は雨の中、中味の濃い会議中)

雨があがったところで希望者で翠ケ池までの「お池めぐりコース」に行くことにしました。明日のコースにはお池めぐりは入っていませんのでチャンスを逃さないようにと積雪のある中を散策。白山名物のクロユリも群生しており、ミヤマキンバイ、チングルマなどお花畑はいまが見ごろでした。百姓池、五色池、千蛇池を経て、翠ケ池に到着です。夕食の時間を気にしてしましたが「ここまで来たら翠ケ池を見なくっちゃあ」と張り切って前進します。途中でガイドさんとすれ違うと「登山道だけを歩いてください。他に踏み跡を付けないで下さい」と他の団体が注意を受けていました。雪が解けると眠っている高山植物が目を覚ますことをわすれてはいけません。翠ケ池の水面には屋形船を2漕浮かべたような残雪があり幻想的な美しさを醸し出していた。霧が晴れ、目の前には大汝峰がそそり立って見えました。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
  午後5時の夕食の時間まで何とか間に合いました。食券を持って食堂の入り口に並びます。食堂は山小屋では珍しいバイキングもどきでした。不平不満は申しませんが麓の永井旅館の料理が恋しいよ〜。沈む夕日を楽しみ、午後8時30分の消灯の後は星空を楽しみ明日の登山にむけて早々と眠りについたことと思います(デパスという誘眠剤飲んだのに朝まで眠れなかったよ〜)

●7月21日(祝日)快晴です。山小屋に流れる曲に合わせてラジオ体操をしたのち午前7時00分御前ケ峰の山頂をめざしました。ザックは山小屋に預けて身軽に登ります。昨日の疲れは何処吹く風でみなさん元気の様子です。1時間ほどで山頂に到着。2702.2メートルの感動の地を踏みしめます。快晴で空は澄み、遥か彼方には御岳、槍ヶ岳と360度の展望を思い思いに楽しむことができました。気分爽快です。しばらくの間、写真撮影を楽しみ、再び小屋に戻り身支度を整え、いよいよ下山です。午前9時、山小屋を出発。復路はアルプス展望歩道を歩きます。南竜ケ馬場休憩所10時40分到着。山頂では寒く感じた気温も、高度を下げる度に下界の暑さが感じられるようになってきました。汗も半端じゃありません。甚之助避難小屋への分岐からは往路と
 
 
 
 
 
 
 同じ道を下ります。少し疲れも出てきましたので気合いを入れて歩きます。ここで「あわや惨事」になりかけました。ねこちゃんの前に大男が降ってきたのです。道も狭く片側が崖で足を踏み外せば100メートルは有に転んでしまうでしょう。待つこともせず、その大男は突っ込んで来てつまづき、ねこちゃんに覆い被さったのです。すぐ後ろに茂ちゃんがいて、ねこちゃんの身体をしっかりと確保しました。そのまた後ろで茂ちゃんを姫が確保しました。二重の確保で難無きを得ましたが常識のない登山者がいたものです。山側に待機するグループがあったため私達は谷側を通って擦れ違おうとした時の出来事でした。
下り道、頭だけ異様に青白く光る輝きを放ち黒装束の衣をまとった若い修行僧らしきグループと出会いました。グループと言っても何十人も登拝してきます。「一体何人なの?」「どこから?」気がかりなことは全て質問しました。永平寺の修行僧で60名が登拝しその夜は白山室堂に宿泊するのだそうです。修行僧の中に師らしき位の高そうなお坊さんも混じっていました。若者達は気軽に「こんにちわ」と声をかけてくれ、気軽に写真撮影、しかも姫付きで応じてくれました。位の高いお坊様は無言です。位の高いお坊様は、ひとりは草履にもうひとりは地下足袋でした。
 
 
 
 
 
(まるで私の沢登りの時みたいや〜)
若者達は修行を終えたのちは永平寺の僧侶となり仏門に励むのでしょう。

もうまもなく吊り橋が見えてきます。「♪山の吊りはーしゃ〜寛子ちゃんがとおる〜♪」と歌いながら吊り橋を渡り終え、やっと路線バス乗り場、別当出合に到着。
時計を見ると13時10分。
ここからさらに観光バス専用駐車場まで歩かなければなりません。途中で大重さんの出迎えを受けホッとしました。
汗くさい車内で40分ほど揺られ白峰温泉「総湯」に到着です。汗を流しツルツルとした泉質に疲れた身体を癒します。何よりのご馳走です。あとはビール飲んで寝るだけと思いきや、アドベンチャーさんご用達の豆腐屋に立ち寄りバスの冷蔵庫は満タンとなりました。トイレ休憩も兼ねて、福井
の羽二重餅屋に立ち寄りました。5時閉店のところを強引になんとか店内に入れてもらい、おまけにアイスボックスに満タンの氷までもらいました。まずこの店で一番偉い人は誰なのか確認し、その人に「あのぉ少し熱気の人がいるので氷を頂きたい」(お熱の出た人だ〜れ)ハハハ

氷が補充されたこともあってバスの中はスナック顔負けの盛り上がりで「帰りはお休みモードで帰りましょう」っていいましたが民謡を歌い終えてホッとしたのか爆睡したのは茂ちゃんだけでした。他は誰も眠る人はいませんでした。いやいや正しい日本語を使いましょう。眠れる状態ではありませんでした。

私の感動は白山が登れたら、更なる次の山に挑戦できる。そんな自分への「自信の貯金」の様な気がします。長く勤務したご褒美として今後もチャンスがあればまた更なる山へ登りたいと思います。
「連れてって〜!」ではなくて「行こう!」の精神です。

私の大好きな山、槍ヶ岳。
昨年は槍沢から登りましたが、今年は「北鎌尾根」を登ります…中房温泉から入山。日本三急登の一つ合戦尾根から燕山荘、喜作新道を通って貧乏沢を下ります。そこから北鎌尾根を登り槍ヶ岳の穂先へ登攀。大喰岳、中岳、南岳、大キレット、北穂高岳、涸沢岳、奥穂高岳、西穂高岳へ槍穂縦走の予定です。
山中5泊、行ってくるね。